続・曖昧は続かない

水槽のクジラ(vo.gt)

ぼくはもうなにもきみにわたせはしない

 

本当にその歌詞の一節を話していたんだ、という話を聞いた。僕が久々にカラオケに行った時に歌った歌を友人が聴いて「國光くん、わたしにこれ言ってきたんだよね」って。

 

 

彼の言葉を引き金に 僕は君に何を渡せるんだろう と考えるけれど、きっと僕は渡すどころか緩やかに奪ってきた側の人間なんだと思う。感性とか思想とか仕草とか、口癖とか。君になりたいと思って。僕は僕で在りたいのに。

 

今の僕は奪いたいものなんてないし、僕の持ち得る全てのことを注ぎたい。そういう風に思える人と一緒に人生を過ごしていきたい。もう空っぽのスポンジに愛みたいなものを染み込ませるような事はしたくない。

 

 

「僕はもう何も君に渡せはしない。」

 

 

ずっと見ていた夢から覚めれば、美しい自死なんてのは存在しなかった事に気付く。だから僕は生き続けてやりたい。それが決して美しい行為ではないとしても。

 

 

『僕はまだ何かを君に渡せるから。』